速読での内容理解のコツ

2016年7月16日

認知視野拡大が出来て、音声化しなくなっても肝心の本に書かれている内容について
浅い理解しかできないのでは勿体無い。

そこで、ここでは速読する際に「どうやって理解度を深めるか」について書く。

理解しようとする気持ちをなくす

速読で音声化しないコツでも述べた内容だが、
「文章を理解しようとすれば音声化する傾向が出てしまい、読むスピードが遅くなる」と一般的に言える。
だから音声化しないようにおすすめしていた。

では、どうやって理解するのかと思わせて、「理解しようとする気持ちをなくす」なんて言われたら
頭にくる方もいらっしゃるだろうが、まずは最後まで一読願いたい。
但し、その際は理解しようという気持ちを持って。

具体的な方法は、
理解しようという気持ちが少ない状態で本を何度も読む(重読)、
より多くの本を読む(多読)

ということである。

理解しようという気持ちが少ない状態とは、
例えば、ぱっと分からなくとも次へ進むという意味である。
全くボーッとただ見ているわけではないことを強調したい。

なお、理解の方法は
文字を認識したらイメージを作り、それを脳内のスクリーンで組み立てることである。
よってイメージをどれだけ速く作れるようになるかが肝要である。
これは本を読んで行く中で養っていくしかない。
※速読養成講座では単語を何個も並べて、
ひたすらイメージをつくるトレーニングをするところもあるらしい。

意外と思われるかもしれないが、数学は実は論理の塊にみえてイメージに関係なさそうだが、
実際はイメージが重要であり、数学をやっていくと想像力が養われる。
数学のテキストは大概、数式に図形が伴う。
例えば、図形の問題一つ取っても補助線をどうやって引くか想像力が必須である。
考えてみれば論理的に考えるにはイメージが必要なのだから当然だが。

本を何度も読む

認知視野の拡大や、音声化しないことにより、
文字を脳に大量に、且つ速く送り込むことができるなら、
最初から全て理解しようという気持ちを持たなければ一回通して読むことに大した時間は必要としない。

これを活かして、何度も同じ本を読むのである。
すると、2回目は1回目より速く読めるし、理解を深められる。

例えば、最初から理解しようという気持ちが強い状態で読んでも、きちんと理解したという満足感がない経験はないだろうか。
だが、2回目に読んだら少しは1回目より理解できたはずである、しかも速く読めたはずである。

結果、理屈は同じなのである。
本は何度も読めば理解が深まるのである。当然と思われるかもしれないが。
これは、1回目で理解している部分があるので、それを土台に他の部分の理解が深まったのである。
これをゲシュタルトの構築とかスキームの構築とか呼ぶ。
また、ざっと一度本の中身を頭にいれておくと次に読むときに内容を理解しやすくなるという、プライミング記憶という考え方もある。
先行する刺激(ざっと読んだ内容)が、後続する刺激(2回目の読書での理解)に影響を及ぼすのである。

かつ、1回読んでいるため、文章自体も知らず知らず記憶しているから速く読める。

違いは、1回で理解しようと思って読書するか、何回か読んで理解しようと思うか、である。
どちらが効率が良いかの問題なのだ。

ここでは、何回か読んだほうが効率が良い理由を挙げよう。

・1回で理解しようとすると、途中でわからない部分が出た時に立ち止まり、
集中力が切れて嫌になって読書を断念してしまう。

・短時間の内に何度も読む方が、記憶が新しいため2回目の理解が容易となる。
1回で理解しようと思って読んで、あまり理解出来ないまま読了したあと、大半はそのままにしてしまうだろう。
そして、忘れた頃にその本を何かの拍子に引っ張りだし2回目を読む。
1回目の記憶はどれほどだろうか。
※記憶に関して、エビングハウスの忘却曲線というものがある

・脳は何度も同じ情報を送り込まれると、それを重要な情報として扱い長期記憶しようとする。
要は記憶も定着しやすいのだ。

・1回目の速読でさっと全体像を掴むと、本のある箇所についての理解がしやすい場合がある。
森を最初にみた方が、それぞれの木について分かるようになる。
最初から理解しようという気持ちが強いと、本の始めの方の内容など忘れてしまい、全体を形作ることが難しい場合がある。

・右脳と左脳がバランスよく働く。
最初から理解しようとして読むということは一遍に脳に送られる情報が少ないということなので、左脳が優位となると言われている。
逆に速読して大量の文字を脳に送ると大量の情報処理に適した右脳が働きだす。
右脳が大量情報処理が得意なのは、映像イメージや音楽など単なる文字情報の何倍もの情報を扱う芸術分野の脳と言われていることからも納得できる。
右脳を使うことで文字からイメージを引っ張りやすくする。
そして、右脳だけでは論理が危ういため左脳も必要なので、
この状態ならバランスよく左右の脳が働くため理解も深まり読書スピードも上がる。
これは七田式脳力開発法で度々聞くものだ。
ちなみに潜在意識で本の内容を理解するといった類の速読法であるが、
サブリミナル効果(約0.03秒で潜在意識にメッセージを埋め込む)を考えると
その速読法はもしやサブリミナル効果と近いところにあるのかもしれない。

ここで注意したい点は、何度速読法で読書しても理解できないものはあるという事である。
ちょっと日にちを置いて、再度読んでみると突然理解出来ることもあり、
これをレミニセンス(追憶)現象と呼ぶのだが、日を置いても理解できないものがある。

例えば、難解な数学書、もっと言えば英語の本など、前提の知識や慣れがあれば別なのだが
何回速く読むことを繰り返しても分からないという思いが拭い切れないままの本が、その読者にとってあるということである。

どうするか。
前提知識を増やすか、じっくり考えるかしかない。
理解というのは土台が必ず必要。
日本語で書かれた本なら日本語できないと読めないということだ。
それと、知識があっても論理を組み立てる力がなければ理解が出来ないということだ。

こればかりは速読ではどうしようもできないと思う。

より多くの本を読む

既に上述してしまったが、理解には土台の理解・知識が必要なので、
それを大量に読書することで獲得するということである。
なので、本当に速読出来るようになるには大量の本に出会わせなければならない。
だが、それこそが速読する目的でもあるので別に不都合はないであろう。

ただ時間が掛る。
そう、本当の速読術を身につけるのは恐ろしく時間が掛るのだ(余程の才能がない限り)。
私も昔は本といったら漫画だったため、1冊読むのも大変苦労したし、
ここまで来るのに相当の本代と時間を費やした。
特に視野拡大の練習など、本当に意味あるのか等と何度挫折しそうになったことか。
その時間を別に使った方が良いのでは?と思ってしまうこともあったし、
こんなことやっている自分がバカなのでは?という思いもよぎった。

だが、例え挫けても歩を進めて欲しい。何か方法があるはずなのである。
「理想の一分間に何万文字も読めるようになりたい」という私の願望はまだ遂げられていないが、
何十万円もの講座にも通わずとも独学で一万文字位までは読めるようになったのだ。
それは、理想にはもしかしたら辿り着けないかもしれないが、逆に言えば辿りつけるかもしれないと思っているからだ。
そうして歩を進めれば必ず前に進む。
後に下がる何てことはないのだ。
挫けるということは後ろに下がることではない。むしろ前に進んだのだ。理想を掴むために必要なことなのだ。
と、自分に言い聞かせるためにも書いてみた。

大きなものを手に入れる為には代償が必ず必要だ。
鋼の錬金術師ではないが。
少なくとも私は幾らかは手に入れることが出来たと思っているし
代償が等価とは思っていない、逆に少ないと思っている。
敢えて不満をあげると、人生のなるべく早い時期にこの能力が欲しかった。

先読みによる理解

認知視野の拡大がされていることが前提だが、
先の行に書かれている情報と、今読んでいる行の情報、
極端に言うとページ最後まで並列処理することで
文章の前後関係や背景の理解を高速化するというものである。
これはかなり高度である、生まれつき右脳型と言われるひとは高確率で出来るそうであるが。

一般的に周辺視野にいくら文字がしっかりと見えていても認識はしないようにしている。
これは不必要な情報は捨てるという脳機能「RAS(Reticular Activating System)=ラス」によるものなのだが、
これをオフにして並列処理出来るようにするのである。

無理かとお思いだろうが、おそらくあなたも出来るはず。
なぜなら、日常的に同様のことを行っているはずだからである。
例えば二人が同時に喋っているとすると、あなたは同時にどちらの喋っていることも理解している。
もしくは、スマホでwebページを見てたり、LINEを行っている状態でも、
音楽やテレビの音声からきちんとイメージができる。
これを両方とも文字の入力に置き換えるだけである。

イメージとしては、並列処理する対象が2つであるとしたら、
それぞれの対象に対して処理する2人の自分がいると想像するのだ。

集中力を鍛える

言うまでもないが集中しているかどうかで、結果が何事も変わる。
如何にして集中力をつけることができるかがポイントである。

また、人間は交感神経が活発に活動している(一種の興奮状態)と視野が狭くなる。
よって、副交感神経優位のリラックスした状態をつくるのも大切なポイントだ。

そのコツについては「集中力を鍛えるコツ」をご覧頂きたい。