糖質制限ダイエット

2016年8月14日

糖質制限ダイエットとは糖質の摂取をなるべく制限する食事法で体重を落とすというダイエットである。
糖質を多く含むものは、ご飯やパン、麺類、お菓子やジュースなどである。これらをなるべく摂取しないようにする。

・ご飯、麺類・・・炭水化物55グラム、角砂糖換算で約14個
・パン(6枚切りの1枚)・・・炭水化物30グラム、角砂糖換算で約8個
・コーラ(500㎖)・・・炭水化物65グラム、角砂糖換算で約17個

逆に食べられるものは、糖質が少ない野菜やタンパク質・脂肪を多く含む魚や肉となるが、これを普段より多く食べるのである。
脂質を多く摂ると太りそうだが糖質を摂った方が逆に太りやすい体となるのだ。

ちなみに人工甘味料はあまり健康には良くないが、血糖値は殆ど上がらないとされているので、
糖質制限ダイエットの初期に、どうしても甘いものが食べたくなったら一時しのぎで利用するのも1つの手かもしれない。

糖質制限は体に溜まった脂肪を燃やしやすくする

ヒトは糖質が十分にあると脂肪よりも糖質を優先的にエネルギー源として使う。
その為、体に溜まった脂肪をエネルギー源として使う機能が普段は作用しづらい状態となっている。
逆に糖質を制限すれば、脂質を否が応にも使わざるを得なくなり、脂肪をエネルギー源として使う機能が十分に作用するようになる。
要は脂肪を燃やすことに慣れるのである。

糖質制限でインスリン分泌量が減って脂肪が溜まりにくくなる

インスリンは、血糖値を下げることができる膵臓で分泌される唯一のホルモンである。
体の中に糖質が入ると血糖値が上がり、それを感知してインスリンの分泌が起こりる。
インスリンの分泌量が多いと、体の中に入った糖質が体の脂肪として溜め込まれやすくなる。
逆に言えば、インスリンが少ない状態なら脂肪として溜められずに肝臓や筋肉で消費されやすい。

さらに、インスリンの分泌量が多いと一気に血糖値が下がってしまい短時間でまた空腹感に襲われるため、過食になりやすくなってしまう。

糖質制限すると糖新生が頻繁に行われる

糖新生とは主に肝臓でブドウ糖(グルコース)をつくる働きのことである。
これは落ちてきた血糖値を正常な範囲に戻すためになされる。
血糖値を正常にしないと人間の活動に多大な影響が出てしまう。
例えば、赤血球はブドウ糖のみをエネルギー源としているので低血糖状態であれば十分に働けないのだ。
肝臓にあるグリコーゲンがあれば、それを分解して血糖値が維持されるのだが、足りなくなれば糖新生を行うというわけである。
ちなみに筋肉にあるグリコーゲンはグルコースとして血液中に放出されない。

糖新生は、以下を材料として行われる。
・乳酸
・アミノ酸
・グリセロール
※中性脂肪が分解されたときに脂肪酸とともに生じる。脂肪酸からグルコースは産生されない。

糖新生は眠っているときや空腹のときには、糖質制限をしていなくとも行われているのだが、
糖質制限をしていると、グリコーゲンの元となる糖質を摂らないため特に頻繁になされる。

糖質制限すると余分なカロリーが排出される

ブドウ糖が枯渇した状態では、肝臓は脂肪酸からケトン体と言うものを生成する。
ブドウ糖があまりない状態ではブドウ糖に代わり、体は代替エネルギー源としてケトン体をつくろうとするのだ。

ケトン体が血液中に余分に存在すると、ケトン体は吐く息や尿に混じって排出されるようになる。
よって、余分なエネルギーがなくなり痩せるというわけである。

脳はブドウ糖だけでしか働けないと思われがちだが、脳はケトン体もエネルギー源とすることが出来る。
ヒトがエネルギー源とできるものは主にブドウ糖、ケトン体の他に脂肪酸もあるのだが、脂肪酸は血液脳関門を通過できないので脳は脂肪酸をエネルギー源として利用できない。
体はブドウ糖が枯渇したときに脳のためにエネルギー源を作らなければならないので、肝臓では脂肪酸を分解する過程でケトン体を生成するように進化したのである。

ケトン体は水溶性で細胞膜や血液脳関門を容易に通過し、脳や多くの臓器に運ばれ細胞内のミトコンドリアで代謝されてブドウ糖に代わるエネルギー源として利用される。

ヒトのエネルギー源となるもの

体のどの箇所かによってエネルギー源となるものが異なっている。
なお、グルコースはブドウ糖のことである。

グルコースのみ・・・赤血球
脂肪酸とグルコース・・・肝臓
ケトン体とグルコース・・・脳
ケトン体・脂肪酸・グルコース・・・赤血球・肝臓・脳以外の臓器や筋肉等

ケトン体の生成

ブドウ糖が枯渇した状態では上述の通り、糖新生が行われる。
この糖新生が行われることが、実はケトン体の生成に繋がっている。
糖質がなければ次は脂肪を主なエネルギー源とする。
なぜなら、筋肉を分解してできたアミノ酸(糖原性アミノ酸)を使用して糖新生を作り、それで全て補おうとすると筋肉がなくなってしまうからである。
それなら余っている脂肪を使った方がマシだということだ。
なお、当然だが脂肪が少なくなったら筋肉を分解してエネルギー源をつくることになるのだが、
アミノ酸には、脂肪酸やケトン体合成に利用されるケト原性アミノ酸と、糖産生に利用される糖原性アミノ酸がある。
よって、脂肪がなくなってもケトン体は生成される。

脂肪酸からエネルギーを産生する場合は、脂肪酸が分解(β酸化)されてアセチルCoAになり、このアセチルCoAがミトコンドリアのTCA回路で代謝されてATPを作り出す。


脂肪酸の酸化で作られるアセチルCoAの多くはTCA回路に入るが、ブドウ糖が少ない状況では肝臓はアセチルCoAをTCA回路で処理する時に必要なオキサロ酢酸が少ない為TCA回路が十分に回らない。
なぜオキサロ酢酸が少ないかというと、糖新生の為に使用されるからである。
そのためTCA回路で処理できなかった過剰のアセチルCoAは肝臓でケトン体となる。

ちなみに肝臓ではケトン体は消費されない。
ケトン体をアセチルCoAに分解する酵素(スクシニル-CoAトランスフェラーゼ)がないためだ。

糖質制限食によりケトン体が産生されているかの確認方法

ケトン体が多く出てくると甘酸っぱい体臭がしたり、食欲が減ってきたりする。
試験紙も売られているので、購入してケトン体が作られるようになってきたという目安に使うことが出来る。

糖質制限食は癌に有効

人体の正常な細胞は、酸素があれば酸素を使ってエネルギーを生み出す。
これに対して、癌細胞は嫌気性解糖系(酸素を使わずにエネルギー産出する)が、酸素を使ったエネルギー代謝はしない。
このことを「ワールブルグ効果」と言うが、その原因は今のところ分かっていない。

よって、糖質の多い食品を摂取することは癌細胞の増殖や転移を促進するのである。
逆に糖質制限食をすれば癌細胞の増殖を抑える効果が見込めるのだ。

ハタイクリニックの西脇俊二先生は「ガンが消える!」という著書の中で、これに超高濃度ビタミンCの点滴を組み合わせるという方法で、余命三カ月と言われるほどの進行癌を消している。
簡単に言うと、癌はブドウ糖が大好物だがビタミンCは構造が似ているので、癌が間違えて取り込む。
ビタミンCは過酸化水素という活性酸素を発生させるので癌細胞をやっつけてくる。
糖質制限すると糖質がないから癌はよりビタミンCを取り込んでくれるというわけだ。

糖質制限すると食後に眠くなくなる

なぜ食後に眠くなるか。
それは食後は血糖値が上がるのでインスリンが分泌される。
その作用で逆に今度は低血糖に陥る。低血糖状態ではヒトは眠気を催すのだ。

糖質制限すれば低血糖になる程のインスリンが分泌されないのだ。
よって食後に眠くなくなるので時間を有効活用できる。
そして昼寝しない分、夜は寝つきが良くなる。

糖質制限すると寝起きが良くなる

食物が胃袋に溜まっている時間を、胃滞留時間という。
一般的にはこの時間が短い方が消化が良いとされている。

さて、ご飯・麺類と肉・魚では、どちらが胃滞留時間が短いかというと、実は肉・魚なのである。
肉や魚のタンパク質は胃酸で速やかに消化されて小腸に送られる。その胃滞留時間は約数十分なのである。
一方、ご飯・麺類は4,5時間残っている。
これは汚い話になるが、泥酔して戻してしまった時の内容物を見ると納得できる。
米粒や麺類、野菜が殆どであるはずで、肉や魚はどこにも見えないのではないだろうか。

しがたって寝ている間に身体は消化にエネルギーを使うことがなく、ぐっすりと身体を休めることが出来るから、寝起きが良くなるのである。

糖質制限する際の注意点

このように良いことづくめのように思える糖質制限だが、肝臓や腎臓の機能が落ちている場合には糖質制限食は行わない方が良い。
なぜなら、糖質制限食はタンパク質を普段より多く摂取することになるので、肝臓と腎臓への負担が大きくなるからである。